さて二月

 さて、二月も中旬になりましたが皆様はいかがお過ごしでしょうか? 僕は相変わらず似たような日々を送っています。アルバイトをして、走って(週に四日ほどに減らしていますが)、筋トレをして、料理を作って、それを食べて、あとは小...

タイムレス

「当時俺は深刻なテレビゲーム中毒に陥っていた」と彼は言った。  それはどんよりと曇った六月の末のことで、僕らは二人とも二十六歳だった。彼は仕事をしておらず、僕は今勤めている会社をあと二週間で退職しようとしていた。もっとも...

呼吸

僕はここにいて、呼吸をしている 君はここにいて、呼吸を止めている 電車が通り過ぎて 音を立てて通り過ぎて 窓の外を通り過ぎて いった 夢が いつものあの夢が覚めて 僕は現実に帰還する 君はもうそこにはいない 部屋の空気は...

マスクマン

 僕は最近いつもマスクを着けている。世間がこんな風なコロナウィルスの騒ぎなのだから、まあ仕方ないといえば仕方ない。接客業だし、お客さんにうつしたり、あるいはうつされたりしても困る。それはそれとして、実は僕の顔もマスクであ...

新しい年

新しい年がやって来て 僕は新しい自分になろうと思う 新しい星がやって来て 君は新しい夜になろうと言う 素晴らしい未来が待っていると 誰かが言った でも 僕は知っている 毎年似たようなことを考えては 結局は同じ結果になるの...

2020年、冬至

 さて、今年も冬至がやって来ました。待ちに待った、というわけでもないかもしれませんが・・・とりあえず、この日がやって来ると、ああ、今年も一年で一番昼が短い(夜が長い)日がやって来たのだな、という感慨が湧いてくることになり...

卵の祈り

ああ卵、卵 あなたはどうしてそんなに壊れやすいの? あなたはどうしてそんなに脆(もろ)いの? 僕が作り置きのサラダを取り出そうとしたとき、 どうして一緒に冷蔵庫から飛び出してきたの? 今月これで二度目だ 六個入りのパック...

ミスターピスタチオ

 その日僕はミスターピスタチオと待ち合わせをしていた。駅前の広場にある奇妙なオブジェの前に午後三時、という約束だった。僕は時間の十分前に到着した。いつもいつも時間に正確というわけではないが、誰かを待たすのは気分が悪い。そ...

暑さ寒さも彼岸まで

さて、九月も下旬になりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? なんというか、ようやく涼しくなって、精神的にも肉体的にも、ほっと一息つけるという感じであります。私としましては、近頃ちょっと長めの小説を書いていまして、そ...