こんにちは。マスコットのビギナー君です。
さて、みなさん! ついに7月ですね! 7月といえば……独立記念日!
1776年、イギリスから独立したのです。アメリカが。
え? お前は日本人だろうって?
まあそうなんですがね、僕もまた2016年の7月4日に独立したのです! お母さんから。
え? そんなのはお前の個人的な出来事だろう、って?
まあその通りです。でもすべての人に個人的なドラマがあるのです。そうでしょう? あなたと同じように。
僕はお母さんっ子でありまして、お母さんと同じプロ野球チームを応援し、お母さんと同じプロレスラーを好きになり、お母さんと同じ色の服をいつも着ていました(晴れているときにはピンク、雨の日には深い青。雪の日には白)。
そのことに疑問を抱かなかったのです。お母さんが行けというから名門大学に行き、お母さんがやれというからセパタクローの選手になりました。
しかし、10年前、僕はどうしても相撲をやりたくなったのです。しかしお母さんは反対でした。あんな野蛮な競技、と。
僕は一年間悩み抜き、胃腸炎や不眠症に苦しめられながら、ついにその一歩を踏み出したのです!
お母さんの呪縛から抜け出し、相撲部屋に入門しました!
まあキツすぎて1週間で逃げ出してバイト生活に入るのですが、そのおかげで広い世界を知ることができました。
イギリスのプログレッシブロックしか聴かないという独特なお母さんだったのですが(僕はそれが当たり前だと思ってきた)、バイト先の奇妙な先輩たちに教わって、いろんな音楽に触れることもできました。恋もしましたしね……。
あの、家を抜け出した日が僕の「独立記念日」なのです。インディペンデンス・デイ。
さて、これから僕はどうなっていくのでしょう? 力士になれるのか? それとも別の道で頭角を現すのか? それとも平凡なまま死んでいくのか……。
まあ平凡でもいいような気がしていますが。なぜなら「平凡」なふりをしていても、本当はみんなどこかしらイカれているからです。はい。あなたもまた。
では、みなさん、お元気で。熱中症にはくれぐれも気をつけて。僕は真昼間から走り回っていますが。まあとりあえず。

さて、ついに7月がやって来ました。今年も後半に入るわけです。いやあ速いですね。非常に速い。しかしまあ、嘆いてばかりいても仕方がない。今ここにある時間を楽しみましょう! ええ、踊りでも踊って。
昔娯楽が少なかった頃、盆踊りは村中の一番の楽しみでした。しかし私の村には奇妙な掟があって、お盆以外に踊ると、木に縛りつけられて見せ物にされてしまうのです。私の同級生にどうしても踊り出してしまう男の子がいて、彼は何度も見せ物にされていました。私は可哀想で、夜に差し入れをしに行ったものです。蚊に刺されたり、近所のちびっ子に馬鹿にされたりしながら、彼は健気に耐えていました。その瞬間には反省しているのですが、また気分が乗ってくると、無意識に踊り出してしまうんですな。
そして彼の踊りというのが実に独特で、盆踊りというよりはシミーに近く、かといってシミーではない。ロボットダンスのようでありながら、魂がこもっている。いやあ、非常に奇妙でしたね。日本の伝統的な踊りでもなければ、西洋のものでもない。中東に近いといえば近かったが……。
彼は卒業したあと、軍隊に取られ、なんとか生き延びて、戦後のあのカオスの中で私と再開しました。たしか上野のクラブだったと思います。なんだか不思議な踊りを踊っている男がいるな、と思ったら彼だったのです。進駐軍の兵隊たちに大人気でした。ニコニコとして、実に軽快に踊っていました。我々は酒を酌み交わし、思い出話をしました。故郷のことを考えると涙が出てきましたが、帰ったところで仕事はありません。あの汚い東京の街で生きるしかなかったのです。二人とも。
実はいろんな事情があって、その後仲違いしてしまうのですが、彼の動向は知り合いから聞いて、ちょくちょく確認してはいました。トルコに行ったり、アルジェリアに行ったり、各地を放浪していたみたいです。彼はいろんな場所でいろんな人間と踊り、心の交流をしているみたいでした。
私はその後学者になり、何冊か本も出しましたが、70代になってから彼から連絡がありました。東京の外れの病院にいるから会いにきてくれないか、というものでした。行くと、彼は病気で死にかけていました。頬がこけ、髪の毛もほとんどなくなっていましたが、表情だけは少年の頃のままでした。私たちはそこで昔話をまたやりました。あの頃村で木に縛り付けられていたっけなあとか。彼はその後の人生で経験したことを事細かに話してくれました。私はそれを楽しみました。そしてその数日後に亡くなってしまったのです。
あの奇妙なダンスは誰にも真似できないものでした。彼という人間はあの動きの中に存在していた。肉体はあくまで「 れ物」に過ぎなかったのだ、と私は確信しています。
さて、私も踊りましょうかな。タイムオーバーになってしまう前に。
ということで、みなさん、健康にはお気をつけて。それでは。また。
 

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