こんにちは。マスコットのビギナー君です。
さて、みなさん! ついに三月になりました。三月ですよ! 三月!

なんというか、死ぬほど速いですね! 時のスピードは……。僕は時々それに乗り遅れてしまうことがあるのです。この間なんて気付いたら1826年で、江戸時代でしたよ。まあふんどし一丁だったのであまり違和感はなかったのですが……。

そのときはダッシュで時に追いついたので、なんとか現代に戻ってくることができました。いやあものすごい走ったな。一度乗り遅れると再び乗るのは大変なんですよ。経験者なら分かってくれると思いますがね……。

そういえば子供の頃、僕の地元には「未来を見ることのできる」おばさんがいました。太った怪しげなおばさんで、たまに公園に現れるんです。僕たちガキんちょは喜んでその予言を聞いたものでした。たとえばおばさんが「あんたは今日転んで膝を擦りむくよ」と言えばまさにそうなるし、「あんたは風邪をひくよ」と言えばそうなるし、「あんたは明日算数で100点を取るよ」と言えばそうなるのでした。おばさんは水晶を持っていて、それを通して僕らの目を覗き込むんです。僕は将来自分がどうなるのか訊きました。でもおばさんは首を振りました。「それは知らない方がいいね」と言って。

僕は怒りました。だってなけなしのお小遣いを渡していたからです。「そんなのずるいや」と僕は言いました。おばさんは「いや、その方がいいんだよ。未来を知ったってなんにもいいことなんかない。明日とか、明後日ならまだ大丈夫だがね。あんたはきっとショックを受けるよ。それでもいいのかい?」と言いました。

「僕はそれでも構わない」と言いました。僕はそのときボウリングに凝っていて、きっと自分はプロボウラーになって、億万長者になっているに違いないと毎日ウホウホ妄想を膨らませていたのでした。おばさんはため息をつき、ちょっとだけ未来を教えてくれました。「あんたはね、大人になってもほとんど裸に近い姿で過ごしているよ」と。

僕はショックを受けました。あまりにもショックだったので、そのあとでおばさんが何かを付け加えて言っているのに気付かなかったくらいでした。僕は裸で生きているのか……。それは……ヘンタイになるということじゃないのか? と……。

でもあれから20年以上経って分かったのは、むしろそれは精神的な姿勢●● の問題だったということです。精神的に「裸に近い」。つまり生まれたまんま、演技をせず、威張ったりもせず、の自分のまんま生きているということです。これ以上の幸福があるでしょうか! ということで日課の乾布摩擦を今日もやります。朝日を浴びながら。ふんどし一丁で……。

ということで、お元気で! まだまだ寒いですからね。風邪などひかないように……。それでは!

 

さて、ついに三月になりましたね。三月といえばひな 祭り。実は昔、私の家にはしゃべるお雛様人形がいました。彼女は口が悪くて、危うくどんとさい で焼かれるところだったのですが、私が間一髪、助けたのです。

しゃべる人形なんて当時は珍しかったですから、どこの家でも最初は重宝がられたみたいです。子供たちの相手をし、客人たちの相手をし……と。だけど全然お世辞が言えないし、「この人は太っている」とか「しつけがなっていない」とか「クサい」とか色々と酷いことを言うのですぐに捨てられてしまうんですね。私が拾ったときも「誘拐犯!」と言われました。

ただ私は彼女の心がすさ んでいるのを知っていたので、極力言い返さないようにしていました。そのうち心を開いてくれるようになり、実は昔いじめられたのだ、とか、父親がアル中だったのだとか教えてくれました。私は彼女に勉強を教わるようになりました。英語とか、スペイン語とか、量子力学とか、そういう物事をです。彼女は中世スペインの詩について異様なほど詳しく、それはそれは、うちのお婆さんが失神してしまうほどでした。あまりにも早口で述べるので、常人には悪魔の呪文のように聞こえるんですな。でも私はなんとかその鬼のような講義に付いていきました。いくつかの詩は暗誦できるようにもなり、スペイン語の文法も覚えてしまいました。そんなあるとき、野良猫がうちに入り込んできて、彼女を咥えて持っていってしまったのです! 私は泣きながら探しましたが、見つかりません。猫は翌日に見つかりました。だけど人形を持っていないのです。猫に問いただしましたが、「ニャー」と鳴くばかりでらち きません。私はいろんなところを探しました。神社の境内も、お墓も、学校も、近所のラーメン屋の厨房も……。

しかし意外なところにいたのです。それはあるお金持ちの家のおもちゃ箱の中でした。私はスパイのように侵入して、それを発見したのです。その家族はアメリカから移住してきた宇宙飛行士の一家だったのですが、雛祭りの文化がないので、ごく普通の人形だと思ったのでしょう。彼女は迷彩服を着た特殊部隊の屈強な男たちのフィギュアの中に埋もれていました。彼女はなかなか楽しそうでした。「私はここで生きていくわ」と言っていました。どうも毎日戦争ごっこをやらされるらしく、マシンガンの感触が気に入ったそうでした。私は泣く泣くその家を後にし、帰路に着きました。彼らはその半年後にヒューストンに帰っていったのですが……おそらくはそのときに彼女もまた渡米したのでしょう。あちらで幸せになっていればいいのですが……。

というのが私の雛祭りの思い出です。皆さんも面白い思い出話があったら教えてくださいね。当時覚えた中世スペイン語は……もう忘れてしまいましたが。詩の響きや、美しさといった感覚は、まだ私の中に残り続けています。そういう観点で言えば役に立っているのかもしれませんね。それでは。また!

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