故郷への帰還、そして再出発
2023年、1月22日、日曜日。夜。僕は今実家の仏壇のある部屋にいる。ここに母親が布団を敷いてくれたのだ。6年10ヶ月前に八王子に出てくる直前まで、僕はやはりこの部屋で寝起きをしていた(寝起きさせて頂いていた。仕事もせ...
2023年、1月22日、日曜日。夜。僕は今実家の仏壇のある部屋にいる。ここに母親が布団を敷いてくれたのだ。6年10ヶ月前に八王子に出てくる直前まで、僕はやはりこの部屋で寝起きをしていた(寝起きさせて頂いていた。仕事もせ...
明けましておめでとうございます。2023年です。まさかこんな年がやって来るとは誰が予想できたでしょう? まあみんなできたか・・・。とりあえず生き延びてさえいれば一月(いちがつ)には新しい年がやってきます。それが自然のサ...
さて・・・ようやく文章を書くという作業に戻ることができます。 ご無(ぶ)沙汰(さた)致しておりました。季節は秋へと変わっていますが――もうすぐ冬ですね。朝晩はかなり冷え込んできた・・・――皆様はいかがお過ごしでしょう...
朝が 僕らの上にやって来て 足早に 通り過ぎて いきます 僕は そんな朝に手を伸ばして この人が 遠くに行ってしまう前に エネルギーを 吸い取るのです 神が 僕らの下(した)にやって来て 足元を暗い影で覆うのです 僕は ...
さて、このように九月になり、このように僕はまだ生き延びています。それが正しいことなのかどうかは分からないけれど、とにかく生き延びている。それは発展の可能性を自分の中に残しておける、ということでもあります(もちろん堕落の...
「モ、モロヘイヤ夫人!」と僕は言った。彼女に会うのは実に30年ぶりのことだった。当時僕はまだ生後六ヶ月くらいの小さな赤ん坊だったのだが、彼女はペースト状にしたモロヘイヤを無理矢理(ミルクに混ぜて、だが)僕に飲ませようとし...
一人の盲目の詩人があちらの世界へと移動するのだが 彼はその事実に気付かない あちらの世界とは死者の世界だ 黒い太陽が地表を照らし 死んだ風が吹き渡る 海は澱(よど)み 川は流れない 時計塔は 同じ時刻を指し続けている 盲...
今ここにいる俺は 昨日の俺とは違っている それがたぶん 結構重要なこと 今ここにある夢は 昨日の夢とは違っている それもたぶん それなりに重要なこと 君はそういえば 昨日 ほとんど生きる意味がない、って言っていたけど 「...
僕は冷蔵庫とダンスを踊る 夜通し 夜通し なぜなら今日は 古い冷蔵庫のお葬式だから お葬式 お葬式 狂った男は 猫の洞穴(ほらあな)に 秘密の通路を見つけ出す 夜回り 夜回り 威張(いば)った山猫は 狂った掃除機に 不満...
君はあの夕空を見たか 夏の高い空間にモクモクと雲が湧き上がって その奥から太陽が 我々を照らしている あの光景を見たか? 雲の下には影があり 雲の奥には空気の渦(うず)があり その下に鳥が飛び 我々がいる その光景を見た...