もし哀しみが

もし哀しみが背中に貼り付いて取れなくなってしまったなら もし哀しみがあなたの背中にぴったりと貼り付いて まったくもって取れなくなってしまったなら あなたはとことん哀しんで 夜が明けるまで哀しんで あらゆる世界の屋根が涙で...

2022年、新しい年

 さて、新しい年がやって来ました。2022年(2が多いですね、はい・・・)。いずれにせよ我々はこのようにして一年一年歳を重ねていきます。それはもう、避けられないことです。若返りたいならベンジャミン・バトンになるしかない(...

二・二六サンタ

「ああ寒い!」とサンタクロースは言った。「一体なんでよりによってこんな日に、こんな場所で座礁(ざしょう)してしまうんだろうな・・・。きっと地球温暖化のせいだろう。そのせいで時の氷河が溶け出して、わけの分からないところにニ...

愛の戦場

さて、僕はこうしてここに座って 夜十一時に机の前に座って 詩を書こうとしている 誰も読まない詩を さて、時はこうして流れ去って ぐるぐると、あるいはするすると、流れ去って 夢を押し流そうとしている 海の彼方に向けて 海 ...

台風さん

 この間台風が家にやって来た。23号だということだった。秋で、気持ちの良い風が吹いていた。たしかに西の空にどんよりとした雲がかかりかけてはいたが、まだ雨の気配はない。それは日曜日の午後3時のことだった。僕は部屋で一人でド...

奇妙な一週間

 勤務先のお店がコロナウィルスの感染者が出た影響で休業となり、その結果僕はとても奇妙な一週間を送ることになった。  いや、最初はオリンピックだったのだ。酷暑の中開催された東京オリンピック。僕は最初の招致の段階から実は反対...