カテゴリー: 短編小説
ミスターキューカンバー
火曜日の午後九時にドアチャイムが鳴り、急いで玄関を開けてみると、そこにいたのは緑色の男だった。 あるいは正確には「男」ではなかったのかもしれない。なにしろ野菜に性別なんてものは存在しないのだから。 「ミ、ミスターキュ...
死んだアルバトロス、および月の上に住む女 (3)
『死んだアルバトロス、および月の上に住む女 (2)』の続き 本はそこで終わっていた。彼がその後激しい戦闘を生き延びたのかどうかは僕には分からない。ずいぶん奇妙な話で、荒唐(こうとう)無稽(むけい)だといってもよかったが、...
死んだアルバトロス、および月の上に住む女 (2)
『死んだアルバトロス、および月の上に住む女 (1)』の続き 彼はそのあと昼寝をすると言って、一人ソファの方に行った。僕は今聞いた話に心を惹かれながらも、おとなしく自分の部屋に帰った(我々は隣同士の部屋に住んでいた)。自分...