お知らせ

さて、ここで突然のお知らせです。最近僕が何をやっていたか、というと(アルバイトは当然のことですが)、2019年11月24日、日曜日に東京流通センター第一展示場で開かれる文学フリマの準備をしていたのです(正式には「第二十九回文学フリマ東京」というらしいです)。

文学フリマとは何か、というと・・・まあ要するに自分で小説を書いたり、イラストを描いたりするのが好きな人々が、自らの作品を持ち寄ってフリーマーケットの要領で販売しよう、というイベントだそうです。

もちろんそれはいいのですが、実のところ僕はそういった同人誌の販売会のようなものには興味を持っていませんでした。 それはたぶん一種のプライドと--そんなことしなくても俺はプロになれるぜ、と思っていたのかもしれません(なれていませんが)――人見知り、あるいは不精ぶしょうという性格のゆえなのかもしれません。しかし今回に関しては、僕が曖昧あいまいな返事をしている間にこのサイトの共同運営者である宮田氏が勝手にエントリーをしていたのであります(ちなみに参加費用も払ってくれていた)。まあだとしたら、ぶつぶつ文句を言っていないで、せっかくの機会だから、ということでいっちょやってみるか、と重い腰を上げたのであります。

問題は腰を上げるのが遅すぎたということで(なにしろどの作品を実際に印刷するのか、まったく決まっていなかったので)、なんとかつい最近印刷所に原稿データを送りました。ネット上で公開するのとは違って、やはり本当の本を作るということは(今回は簡単な冊子に過ぎませんが)大変なことなんだな、と思い知りました。でも一方で楽しいことでもあります。正直なところまだ手元に本が届いていないのでなんとも言えないのですが(イベントの前日に届きます)、わくわくする気持ちと、ひどく不安な気持ちとが同居しています。

でもまあ、最初からなにもかもスムーズにいくわけはないだろう、という前提に立てば、これはむしろ良い経験ということになるかもしれません。とりあえずこのまま大きな問題が起きなければ--起きなければいいのですが--イベント当日に何十冊かの自作本のたばを持って、みなさんに会えると思います。入場自体は無料だそうなので、もしよろしければいらしてください。

「第二十九回文学フリマ東京」

開催日時:2019年11月24日(日曜日) 11:00~17:00

会場:東京流通センター第一展示場

アクセス:東京モノレール「流通センター駅」徒歩1分

今回出す予定の作品は、短編集で、題名は『原色の自画像』です。表題作のほか、『空白を運ぶ女』、『赤いベレー帽の女』、『バスク』、『雨』の四つの短編が収録されています。本の大きさそのものはA5の冊子タイプで、全部で68ページになる予定です。これが表紙のイメージです。

『原色の自画像』:四十歳になる「私」の部屋の壁には、半世紀も前にある画家によって描かれた「原色の自画像」という絵が掛けられている。油絵具で描かれたこの絵は、純粋に技術的観点からいえば稚拙ちせつであるものの、ある種不思議なやり方で「私」の心を動かす。「私」が生きているのは、今世紀初頭に起こった労働改革によって、自由な時間が大幅に増えた清潔な都会だ。我々に生殖能力はなく、子どもはできたてほやほやの状態で「政府」から支給される。夢を見ることは精神疾患であるとみなされる。ほとんどの人が幼少期のうちに「夢抜き」を済ましておくのだ。しかし「私」はこの歳になってある夢を見る・・・

『空白を運ぶ女』:その女は空白を運んでいた。僕は川沿いを歩いているときに彼女に出会った。何人かの友人の話によれば、彼女が背負っている大きなリュックサックの中には純粋な空白が入っている、ということだった。僕はついにそれを見せてもらうのだが・・・。

『赤いベレー帽の女』:「私は二十八歳で、もう死んでしまおうと思っている」。作家志望の私はコンビニでアルバイトをしながら小説を書き続けている。しかしいつまで経っても賞は取れない。でもそんなこととは一切関係なく、最近生きることに意味を見いだせないでいる。そんなとき赤いベレー帽をかぶった奇妙な女に付きまとわれて・・・。

『バスク』:「俺」は四十歳で、たった一人でがらんとした家に暮らしている。ある日突然妻と子どもが家を出ていったのだ。その空白を仕事をすること、そしてのちには絵を描くことによってなんとか埋めていた。そんなある夜スペインのバスク地方の絵を描いていると・・・。

『雨』:「かつて私は床屋をやっていた」。祖父と、父親と、叔父も床屋をやっていたので、当然息子も跡を継ぐものだと思っていた。しかし専門学校まで行かせてやったにもかかわらず、彼は突然「俺はそんなことはやりたくないのだ」と言い出した・・・。私は長年続けた店をたたみ、今では年金で暮らしている。暇を持て余しているうちに、一人で西日本へ旅行に行くことを思い立つのだが、大阪のしょぼいビジネスホテルで、ある不思議な経験をすることになる・・・。

さて、最近はこんな風にいろいろとやりたいことができて困っているのであります。そんな中ひどい風邪もひいたし・・・。でもまあ、28にもなって(28ですよ!)こんなことをやれているというのは、ある意味では幸運なことなのかもしれない。なにしろようやく自分自身に対する好奇心のようなものが出てきたのですから。

おそらくはこれからも--少なくとも生きている限りは--毎日少しずつ何かをやっていくのだと思います。まあそれはもちろん誰だってそうなのですが(当たり前ですね)、その中で成長していけたらきっと人生は楽しいだろうな、と思うのであります。音楽もやりたいし、絵もやりたいです。ほっと一息ついたらたぶんまた小説を書き始めます。まったく。僕は一体どこを目指しているんだろうな・・・。でもまあそんなことはまたあとで考えればいいことです。本当に本当のことをいえば、明日何が起こるのかなんて、誰にも分からないのですから。

この小屋に住んでみたいと思いませんか? 僕は・・・ええと・・・たぶん思わないと思う・・・。
村山亮
1991年宮城県生まれ。好きな都市はボストン。好きな惑星は海王星。好きな海はインド洋です。嫌いなイノシシはイボイノシシで、好きなクジラはシロナガスクジラです。好きな版画家は棟方志功です。どうかよろしくお願いします。

2件のコメント

    1. 電柱さん。コメントありがとうございます。
      ええ、実は僕は結構興味深い人間なのです。あるいは自分でそう思っているだけかもしれませんが・・・。
      見た目は普通です。普通すぎてため息が出るくらいです。
      まあいずれにせよなんとか頑張りたいと思います。でも実物が届くまではちょっと不安ですね・・・。

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