カテゴリー: 詩
擦り減った靴に寄せる賛歌
僕は今日靴を買った ランニングシューズと普段履くためのスニーカー よって 今まで履いていた二足の靴を 葬(ほうむ)ることになる 僕は彼らに感謝しなければならない ミズノの黒いランニングシューズ 及び トップサイダーの紺色...
あなたはあなたの言葉を耳にする
あなたはあなたの言葉を耳にする 私は私の言葉を耳にする そこには何か心温まるものがある たしかに しかし同時に肌寒くなるものもある 「心温まるものがある」というのはつまり、あなたが何かを手にする、ということを意味する 「...
もう誰もいなくなった
もう誰もいなくなった 夢を見るものさえいない もう誰もいなくなった 草を食(は)む者さえいない もう誰もいなくなった お前は誰なのか、と訊(たず)ねる者もいない もう誰もいなくなった 神の姿を探し求める者もいない 風が吹...
十一月がやって来てしまった
今日は とても良い天気 十一月の 最初の一日に相応(ふさわ)しい でも 僕の心は なぜか空虚だ それはおそらく 十月が死んでしまったことと関係があるのだろう 十一月 十一月 十一月がやって来てしまった 十一月 十一月 十...
雨の日にジョーンブリアンを買いにいくことについて
今日はひどい雨だった 朝から 降り続いて 昼間も 降り続いた 風も強かった でも僕は ジョーンブリアンを買いにいった 色を買うなんて素敵なことだなと思いながら アルバイトの帰りに レインウエアを着て 自転車で 近くの画材...
ニュートンの揺りかご
ニュートンの 揺りかご 行ったり来たり 行ったり来たり 鉄球の 振り子 行ったり来たり 行ったり来たり 戻って来るのは同じ場所 反対側と同じ場所 でもほんとはちょっと違う場所 ニュートンの 揺りかご 行ったり来たり 行っ...