一人の盲目の詩人が
一人の盲目の詩人があちらの世界へと移動するのだが 彼はその事実に気付かない あちらの世界とは死者の世界だ 黒い太陽が地表を照らし 死んだ風が吹き渡る 海は澱(よど)み 川は流れない 時計塔は 同じ時刻を指し続けている 盲...
一人の盲目の詩人があちらの世界へと移動するのだが 彼はその事実に気付かない あちらの世界とは死者の世界だ 黒い太陽が地表を照らし 死んだ風が吹き渡る 海は澱(よど)み 川は流れない 時計塔は 同じ時刻を指し続けている 盲...
今ここにいる俺は 昨日の俺とは違っている それがたぶん 結構重要なこと 今ここにある夢は 昨日の夢とは違っている それもたぶん それなりに重要なこと 君はそういえば 昨日 ほとんど生きる意味がない、って言っていたけど 「...
僕は冷蔵庫とダンスを踊る 夜通し 夜通し なぜなら今日は 古い冷蔵庫のお葬式だから お葬式 お葬式 狂った男は 猫の洞穴(ほらあな)に 秘密の通路を見つけ出す 夜回り 夜回り 威張(いば)った山猫は 狂った掃除機に 不満...
君はあの夕空を見たか 夏の高い空間にモクモクと雲が湧き上がって その奥から太陽が 我々を照らしている あの光景を見たか? 雲の下には影があり 雲の奥には空気の渦(うず)があり その下に鳥が飛び 我々がいる その光景を見た...
さて、非常に暑い日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか? 僕はかろうじて生き延びているみたいです。はい・・・。 と、言いつつも、ついさっき川沿いを10km走ってきたわけですが(脱水で死にそうになった)、...
「やあ、私は梅雨(つゆ)寒(ざむ)刑事(デカ)だ。お察しの通り」とその男は言った。がっしりした体格の、五十前後の男だった。警視庁の制服を着ていたが・・・僕にはどうしても彼が本物の警察官には見えなかった。というのも・・・あ...
私は今日ここで ウィリアム・ブレイクの詩を読んでいたのですが いささか 悲しい気分になりまして こうして あなたに手紙を書いているというわけなのです はい ウィリアム・ブレイクの詩は もちろんそのイラストもですが 素晴ら...
さて、ようやくですよ。やっと文章に戻ることができる。ああ、この二週間どれだけこの時を待ち詫(わ)びていたことか・・・。 と、いうことで、システム交換です。僕は改宗しました。ついに、WindowsからMacに改宗したのです...
さて、二月も下旬に入り――もう二十日ですね。早い・・・――寒さも徐々に徐々に和(やわ)らいできているような感覚があります。もちろんもっと北の地域の方々は、まだまだ寒い冬を耐え忍ばねばならないのでしょうが・・・少なくとも...
生きている者の間だけで譲渡される資格があって 生きている者の間だけで譲渡される時間があって 生きている者の間だけで譲渡される穴があって 生があって 死があって そしてあなたがいる 死んだ者だけが理解できる言葉があって 死...