日付変更線と10月31日との会話
『日付変更線と10月31日との会話』 やあ、久しぶりだね ちょうど一年ぶりくらいかな 君に会えてうれしいよ なにしろ君とは話が合うからな 俺としてはもっとしょっちゅう会いたいんだけどね どうもこればっかりは...
『日付変更線と10月31日との会話』 やあ、久しぶりだね ちょうど一年ぶりくらいかな 君に会えてうれしいよ なにしろ君とは話が合うからな 俺としてはもっとしょっちゅう会いたいんだけどね どうもこればっかりは...
『トイレットペーパー(ダブル)に寄せる賛歌』 ああ、トイレットペーパー(ダブル) トイレットペーパー(ダブル) シングルにはない 厚みと柔らかさ 二枚重なって 我々を包み込む 僕...
『マグカップの虐殺』 粉々になったマグカップ 白い スヌーピーの絵が印刷されたマグカップ 一年かそこら 勤めを果たし 今日 午後2時30分 持ち主の手によって 破壊された もちろん意図したわけ...
ぼくは今日おつかいを頼まれた。丘の上にあるゴリラの生なる木のところに行って、「小さいゴリラ」と、「中くらいのゴリラ」と、「大きいゴリラ」を摘んでくるよう言われたのだ。 「あなたももうそれくらいはできないとね...
Virgil Anderson(バージル・アンダーソン)(1890-1938)の詩 “A monologue at 2:30 am”(『午前二時半の独白』)(1921)の翻訳 私は毎...
昨日の朝、私は淹いれたてのコーヒーに死を入れて飲んだ。それは近所のスーパーで買ってきたもので、国内産のオーガニックだということだった。確かに飲むとそれは自然な死の味がした。限りなく生に近い死だ。  ...
僕の隣では怠(なま)け者が酒を飲んでいた。怠(なま)け者は一日中怠けていて、両親の仕送りで生活をしていた。シャツの襟(えり)はだらしなくよじれていて、第一ボタンが第二ボタンの穴に入れられていた。彼はなぜかハイボールしか飲...
「俺はFIFIワイルドカップに出場する」と彼は言った。僕らはそのとき大学の四年生で、もうすぐ社会に出ようとしていた。 「なんだそれ?」と僕は言った。「FIFAワールドカップならまだしも」 「FIFAは残念ながら金に溺れて...
スイカマンの頭はスイカで出来できていて、その正面に目と鼻と大きな口(というか穴)が空いていた。彼はシックなタキシードに蝶ネクタイといういでたちで僕の前に現れた。 「やあ、私がスイカマンです」と彼は言った。 ...
知り合いの大学生の子が珍しくスーツを着ていたので、どうしてそんなもの着ているのか、と聞いてみると、「スーツに着られる練習をしているんです」ということだった。 「え?」と僕は言った。「もう一度言ってくれませんか?」 「だか...