こんにちは。マスコットのビギナー君です。
さて、みなさん! ついに七月がやって来ました! 七月ですよ! 七月! 今年も半分が正式に終わったわけです。いやあめでたいめでたい。
え? どうしてめでたいのかって? ジャン! これです。このドングリたちですよ。
僕は今年のお正月に、歳の数だけ(30いくつ……)ドングリを神様にお供えしたのでした。そして無事今年の半分生き延びられたら、半分食べてもいいですか? と尋ねたのです。そうしたら……なんと! 頭の中に返事がありました。「もちろんいいぞよ。乾煎りして、ポリポリと食べなさい」と神様は言っていました。
ということで、めでたく今それをいただくわけです。フライパンを熱して……そう、ちょうどお供えしていた半分をここに入れて……と。
おお、良い香りだ。うん、ポリポリ。熱いけど、美味い。まるで熊になった気分だ……。あれ? 急に身体中に黒い毛が生えてきて……。筋肉が盛り上がってきたぞ。まさか……これは食べると熊になるという伝説のドングリだったのか……。なんだか叫びたくなってきた。オォー! オォー!
あ! 警察が来ている! なんか猟友会のおじさんたちも来ているぞ! まずい! 殺されたくない!
さあ、山に逃げなくちゃ(時速50kmで走る)。おっと、(ドン!とトラックにぶつかる。トラックがへこむが、ビギナー君はびくともしない)。
いやあ、危なかったな。うん、山は気持ち良いや。ああ、木に登りたい! ふう! いやあ、最高だ。熊になるってこんなに良い気持ちだったのか……。
と、ここで夢から覚める。僕は狭いアパートのキッチンにいて、床に寝転んでいたのだ! 全然熊になんかなっていなかった! ああ、残念……。
ということで、皆様、ドングリにはくれぐれも気を付けてくださいね。熊だけでなく、露出狂のおじさんになるドングリとかもあるみたいなので。ネットで調べてから食べるようにしてください。それでは! お元気で!
さて、今年もあっという間に七月がやって来ましたね。七月……。青い海と白い雲。いやあ、若い頃を思い出します。
若い頃、私はアメリカを放浪していたのでした。そしてそのときはカリフォルニアのどこかのビーチにいたんだったかな。そう、そこで筋トレをしていました。腕立てをしたり、スクワットをしたり、一人でダッシュを繰り返したり……。犬に追いかけられて、本気で逃げていたこともあります(私は当時犬が苦手だったのです)。そんなときにある日系人と仲良くなりました。彼はカタコトの日本語を話し、私は私でカタコトの英語を話していました。私は彼の家に招待され、そこで日本の音楽を聴かせてもらったり、将棋を指したりしました。彼は私に尋ねました。どうしてアメリカに来たのか、と。私は答えました。「アメリカが呼んでいたからだ」と。
彼はいつか日本に行きたいと言っていました。ぜひ来てくれ、と私は言いました。私の家の住所をそのときのために残していきました。その街には数日しかいなかったのですが、とても良い思い出です。
そしてそれから五十年後に、彼がやって来ました。カタコトの日本語を話す怪しい爺さんが私の家のドアをノックしたのです。ドアが壊れるんじゃないか、というくらい強いノックでした。「はいはい」と言って、私はドアを開けました。すると……彼がいたのです。五十年経ってもすぐに見分けが付きました。彼は涙を流していました。私もまたなぜか涙を流しています。我々はひしと抱き合いました。それから二人で懐かしの音楽を聴き、将棋を指しました。五十年の間にあったことをお互いに教え合いました。彼は結婚し、奥さんを病気で亡くしていました。私は泣きました。私は自分がプロボクサーを目指し、結局は挫折した話をしました。彼もまた泣いていました。私たちは一緒に湘南に行き、海を見ました。二人で筋トレもしました。いやあ、楽しい日々だったな。彼はやがてアメリカに帰っていきました。来世も会おう、と私たちは言い合いました。来世。本当にそんなものがあるのかは分かりませんが、きっと私たちは会った瞬間にそれと分かることでしょう。それってなんだか素敵なことです。二人とも植物プランクトンになっているのかもしれないのですが。とにかく。