死について 2
『死について 1』の続き 会社で仕事をしている間にも、僕は彼のことを考え続けていた。果たして本当に彼の言った通りなのだろうか? 彼の右腕は、実際にほかの誰かのものと取り換えられていたのだろうか? もちろん常...
『死について 1』の続き 会社で仕事をしている間にも、僕は彼のことを考え続けていた。果たして本当に彼の言った通りなのだろうか? 彼の右腕は、実際にほかの誰かのものと取り換えられていたのだろうか? もちろん常...
「さっきまで死のことを考えていた」と彼は言った。僕は何も言わず、ただその続きを待っていた。電話越しに聞こえる彼の側がわの沈黙は、なぜかひどく重たく感じられた。 「実を言うと今日一日ずっとそのことを考えていた...
朝起きると私はワニになっていた。といっても姿形すがたかたちがワニになったわけではない。あくまで意識がワニになったということだ。もちろん今このように回想できていることからして、100パーセント完全なワニになったというわけで...
「口内炎に寄せる哀歌あいか」 ああ口内炎、口内炎 三つもできた口内炎 右と、左と、舌の上 白く固まり、そこに居座る 彼らは 戦時中の日独伊三カ国のように ごく実利的に結びついている その目的は...
2017年12月12日、火曜日。久しぶりにアルバイトが二日連続で休みになったので、新宿まで遊びに行くことにする。この前都心に出たのはたしか7月の始めだった。それ以来ろくに電車にも乗らなかった。普段は自転車で生活をしている...
12月2日。土曜日。今日久しぶりに駅前まで自転車を漕いでいって、新しい来年用の手帳を買いました。一口に手帳を買うといっても、実際に商品を見てみるといろいろあって悩むものです。なんでもいいような気もするし、かといって一年中...
『日付変更線と10月31日との会話』 やあ、久しぶりだね ちょうど一年ぶりくらいかな 君に会えてうれしいよ なにしろ君とは話が合うからな 俺としてはもっとしょっちゅう会いたいんだけどね どうもこればっかりは...
『トイレットペーパー(ダブル)に寄せる賛歌』 ああ、トイレットペーパー(ダブル) トイレットペーパー(ダブル) シングルにはない 厚みと柔らかさ 二枚重なって 我々を包み込む 僕...
『マグカップの虐殺』 粉々になったマグカップ 白い スヌーピーの絵が印刷されたマグカップ 一年かそこら 勤めを果たし 今日 午後2時30分 持ち主の手によって 破壊された もちろん意図したわけ...