違和感

 違和感は知らぬ間に僕の部屋に住み着いている。いつだってそうなのだ。僕が呼んだわけでもないし、どうしても来なければならない必然性もない。しかしいつもいるのだ。そして僕の邪魔をする。 「そう、毎日ダラダラしてつまらなくない...

カバ山さん

 カバ山(やま)さんは僕の会社の上司で、いつも笑っている。あまりにも大きく口を開けて笑うので、顎(あご)が外れてしまうんじゃないかと心配になるほどだ。でも少なくとも僕の知る限りにおいては、彼の顎は外れたことがない。二、三...

容器 (2)

『容器 (1)』の続き 二  Tが入院した、というメールが来たのは、それからほぼ三ヶ月後の、十二月の半ばのことだった。アルバイトが終わって、夜十時半にアパートに帰り、それが届いていることに気付いた。知らない番号からのもの...

容器 (1)

一  測量師の木(き)村(むら)和(かず)彦(ひこ)は仕事を辞めた。特に仕事内容に不満があったわけではない。給料は高くはなかったが、安定していたし、そのまま勤めていればいずれ昇給する見込みもあった。しかし同じ会社の上司た...

2024年、2月

寒くなったりあったかくなったり、すごく変な天気が続いている二月だけれど、皆さんはいかがお過ごしでしょうか? 仙台では昨日雪が降って、今日は自転車で移動するのが大変でした。転びそうになりながらなんとか歩道を漕いで・・・危う...

片側坊主

片側坊主:おおっ! これは! 片方だけの手袋。しめしめ。これはお宝だぞ。見たところ子供のもののようだ。(チラチラと左右を見る)。大丈夫、大丈夫。誰も見ってませんっと。(拾い上げて麻の袋に入れる) 片側刑事(デカ):お前!...