詩 亡霊 Posted on 2021年3月22日 by 村山亮 / 0件のコメント 日曜日の午後 殺された兵士の亡霊がドアを叩く 僕は昼寝から目を覚まし 彼のところに行く もしもし と彼は言う 私の記憶はどこに埋もれているんでしょう? そんなことは分からない と僕は言う でもたぶんきっとここじゃないです...
短編小説 心配屋さん Posted on 2021年3月3日 by 村山亮 / 0件のコメント 「いかがですかぁぁ・・・心配の種いかがですかぁぁ・・・。新鮮な心配の種ですよぉぉ・・・。メキシコから直輸入ぅぅ・・・。無農薬で味も抜群。いかがですかぁぁ・・・」 その不思議な売り子の声を聞いたのはある街を散歩していると...
エッセイ さて二月 Posted on 2021年2月14日 by 村山亮 / 0件のコメント さて、二月も中旬になりましたが皆様はいかがお過ごしでしょうか? 僕は相変わらず似たような日々を送っています。アルバイトをして、走って(週に四日ほどに減らしていますが)、筋トレをして、料理を作って、それを食べて、あとは小...
短編小説 タイムレス Posted on 2021年2月14日 by 村山亮 / 0件のコメント 「当時俺は深刻なテレビゲーム中毒に陥っていた」と彼は言った。 それはどんよりと曇った六月の末のことで、僕らは二人とも二十六歳だった。彼は仕事をしておらず、僕は今勤めている会社をあと二週間で退職しようとしていた。もっとも...
詩 呼吸 Posted on 2021年2月14日 by 村山亮 / 0件のコメント 僕はここにいて、呼吸をしている 君はここにいて、呼吸を止めている 電車が通り過ぎて 音を立てて通り過ぎて 窓の外を通り過ぎて いった 夢が いつものあの夢が覚めて 僕は現実に帰還する 君はもうそこにはいない 部屋の空気は...
短編小説 マスクマン Posted on 2021年2月14日 by 村山亮 / 0件のコメント 僕は最近いつもマスクを着けている。世間がこんな風なコロナウィルスの騒ぎなのだから、まあ仕方ないといえば仕方ない。接客業だし、お客さんにうつしたり、あるいはうつされたりしても困る。それはそれとして、実は僕の顔もマスクであ...
詩 新しい年 Posted on 2021年1月1日 by 村山亮 / 0件のコメント 新しい年がやって来て 僕は新しい自分になろうと思う 新しい星がやって来て 君は新しい夜になろうと言う 素晴らしい未来が待っていると 誰かが言った でも 僕は知っている 毎年似たようなことを考えては 結局は同じ結果になるの...
エッセイ 2020年、冬至 Posted on 2020年12月21日 by 村山亮 / 2件のコメント さて、今年も冬至がやって来ました。待ちに待った、というわけでもないかもしれませんが・・・とりあえず、この日がやって来ると、ああ、今年も一年で一番昼が短い(夜が長い)日がやって来たのだな、という感慨が湧いてくることになり...
詩 卵の祈り Posted on 2020年12月20日 by 村山亮 / 0件のコメント ああ卵、卵 あなたはどうしてそんなに壊れやすいの? あなたはどうしてそんなに脆(もろ)いの? 僕が作り置きのサラダを取り出そうとしたとき、 どうして一緒に冷蔵庫から飛び出してきたの? 今月これで二度目だ 六個入りのパック...
短編小説 ミスターピスタチオ Posted on 2020年12月9日 by 村山亮 / 0件のコメント その日僕はミスターピスタチオと待ち合わせをしていた。駅前の広場にある奇妙なオブジェの前に午後三時、という約束だった。僕は時間の十分前に到着した。いつもいつも時間に正確というわけではないが、誰かを待たすのは気分が悪い。そ...