自由という名の牢獄

私は自由という名の牢獄に閉じ込められている あなたは疑問に思うかもしれない 自由とは果たして牢獄なのか、と 自由とはむしろ牢獄から出ることではないのか、と それは正当な疑問だが、私には何の意味もない なぜならほかの人にと...

Live Magic 2018 (1)

プロローグ 2018年10月19日、金曜日。自宅にて。 秋になるといつも死のことを考える。それはおそらくあの乾燥した風の中に、冷やりとする冬の気配が潜んでいるからだろう。うだるような暑さが終わり、湿気を含んだ重い空気の層...

死の来訪

天気の良い土曜日の午後二時、部屋で気持ち良くうたた寝をしていると、突然ドアベルが鳴った。僕はまだ半分夢の世界にいながら、その音を聞いていた。それは最初遠い汽笛のように聞こえたが、やがて耳障りな女の叫び声になり、最後にはま...

墨田川 3

(『墨田川 2』の続き)   その1週間後、また彼が僕の部屋にやって来た。時刻は午前3時だった。彼はまたしても海水パンツにシュノーケル付きのゴーグルという格好だった。僕はひどく眠かったものの、今度は自分から彼の...

隅田川 2

(『隅田川 1』の続き)   その1週間の間中、彼が書いた酔っぱらいの姿が、僕の中で何度も浮かんだり消えたりしていた。彼は太平洋を突っ切って、その自己流のクロールで金色のウィスキーの流れを追い続けていた。それが...