白い部屋 (1)

それは白い部屋だった。もうしばらく前からここにいる。広さは六畳ほどで、隅の方に鉄製のベッドがある。その反対側には小さな仕切り板があり、奥にむき出しの便器が設置されている。そちら側の壁の上部には手洗い用の小さな水道が付いて...

フォークナーに寄せる

『八月の光』 を 九月になって読む 夕方の光 フォークナー は 何を思うだろうか? 北部人(ヤンキー)に負けた南部人 焼けつく太陽 うだるような暑さ ハエが飛んでいる ジョー・クリスマス 自分が誰なのかも分からない トウ...

新しい一日

もし君がその気になれば 今日という日を新しい一日にすることができる もちろん 嘘じゃない もし君がその気にならなければ 今日という日は昨日と同じままだ そして明日も明後日(あさって)も、その先も、ずっと同じままだろう も...

救出

今日僕は居残りを命じられた。宿題だった漢字練習のプリントを家に置き忘れてきてしまったのだ。よりによってこんな日に。というのも、いつもはクラスに何人かほかにも忘れる人がいるのだが、なぜか今日に限ってそれを持ってこなかったの...