短編小説 歩くこと Posted on 2018年4月14日 by 村山亮 / 1件のコメント そのとき僕はずいぶん長く街を歩き回っていた。季節は冬で、これからさらに寒くなろうとしていた。僕はコートのポケットに両手を突っ込み、マフラーに顎あごをうずめて、黙々と歩き続けていた。どこか目的地があったわけではない。ただそ...