西暦2999年

朝起きると西暦2999年になっていた。   間違いではない。突然のそのニュースは多くの人を戸惑わせたようだったが(なにしろ昨日は西暦2016年の12月20日だったのだ)、それは政府の公式見解として発表されものだ...

隣人

それは気持ちの良い九月の土曜日だった。午後二時で、僕は昼食を食べた後腹ごなしに近くの公園に散歩に来ていた。僕はいつも座る指定席のベンチに腰掛け、ポケットから文庫本を取り出して読み始めた。何分か経ったあと、ふと顔を上げると...

海を渡る風 風を渡る海   空を飛ぶ鳥 鳥を飛ぶ空   降り注ぐ日光 その裏にできる影     僕は街を歩き 街は僕を歩き   雑踏に耳を澄ます 雑踏が僕に耳を澄ます &...

今日は朝から雨だ   そんなに 強い 雨じゃない   でも雨は雨だ     雨の音は 聞いていると なぜか 落ち着く   それは 高度何フィートだかから 落ちて来て &n...

岩手山

青空に 映える 岩手山   僕の 頭は 今 空っぽ   岩手山は ずっと前から そこにいる   彼は 何を 考えているのか   岩手が岩手になる前に 日本が日本になる前に 岩手山は...

サイクル

春は匂やかな風 蠢うごめく虫と それを啄ついばむ鳥 肌に感じる生温かい空気 地面に広がる クローバー 我々は生きている     梅雨つゆは灰色の空 ナメクジと 濡れたアスファルト 水たまりを踏む 車の...

自転車

彼は自転車に乗って、一晩中都心に向けて走り続けていた。走り続けていればあれから逃れられるのではないかと思ったからだ。なぜ都心なのかは分からない。目的地なんてどこでもよかったような気もする。しかし走り続ける以上どこかに向か...